たまにニュース番組なんかを観ていると「〜は欧米では当たり前」という表現を聞く。
この言い回しを聞くと、寒気がするのを通り越して最近では虫酸が走る。
といきなり言っても意味不明だろうから、いくつか例を出してみよう。
1.「企業市民(Corporate Citizen)という考え方は欧米では当たり前です。」
まず、そもそものポイントで言うと「欧米」という言葉の定義が曖昧である。
普通に解釈するとヨーロッパ諸国+アメリカ合衆国ということになる。
少し考えればわかるが、ヨーロッパとアメリカをいっしょくたにすることに抵抗を感じないのはおかしい。
キリスト教圏という宗教的バックボーンこそ同じものの定義が広すぎるので、ひとくくりにするにはあまりにもぶっきらぼうだ。
さらに言えば、ヨーロッパの中でも、例えばスペインやイタリアなどのラテン系とポーランドやブルガリアなどのスラブ系を同じ目線で並べていることになるが、これにも違和感を感じる。
今はEUという経済圏でくくられてはいるが、こと文化という視点で捉えるとそれはそれはバラエティに富み、少なくとも「当たり前」とされる常識が共通化されているわけがない。
さて、例文に戻ると、確かにEUでは企業市民としてのCSR(企業の社会的責任)が発展しているが、それはユーロの通貨価値を守るために政府を超えたネットワークを持つ企業が舵取りをしていこう、という必然性があるからであり、日本とは置かれた環境が違うのに比べようとするのが土台おかしいのだ。
ひいては、アメリカにおいてCSRに積極的に取り組んでいるのはやっぱり一部のナショナル・カンパニーだけであり、その意味においては日本と少しも変わらない。
それどころか、こと環境の話になると、未だに京都議定書に調印していないアメリカより日本の方がよっぽど進んでいる。
そして何より腹が立つのが、
「だから日本は遅れている」
という発言者の真の意図が見え隠れするからである。
この手の発言をしがちなのは、「有識者」と呼ばれる人々が多いが、自分には「欧米」に対する露骨なコンプレックスの表れとしか思えない。
冷静になってごらんなさい。
そうやって「欧米」に追随することだけが、唯一の方向ですかね?
いまや「欧米」が先進であるとも限らない中、「有識者」だったら日本には日本のよさがあるんだからそっちを磨いていこう、という論客になってほしいですよ自分は。
むしろそうやって、盲目的に「欧米」に右ならえしていると、また猿真似って言われて終わるのがオチですよ。
話が堅いので、もっとシンプルな例を挙げてみよう。
2.「食事とは別にサプリメントを摂る。これはもはや欧米では当たり前。」
サプリメント(栄養補給食品)の話を取り上げた番組で聞いた「有識者」のコメント。
最早ちゃんちゃらおかしいというか笑えてくるが、一応ちゃんと突っ込んでおこう。
まず言いたいことはこれだ。
裏とってないだろ。
「アメリカなんかでは食卓の上に必ずサプリが置いてあって、家族みんなで摂っています」
と申しておりましたが、自分一時アメリカに住んでましたけど、別にそんなことなかったっす。
大体市場規模で見れば確かにそうかもしれないが、肉食中心でビタミン不足になりがちなアメリカと和食中心の日本を同じ土俵で比べるもんじゃないですよ。
もう1つ行ってみましょうか。
3.「欧米のビジネスマンは仕事の前にジムで汗を流す。これ当たり前。」
よしんばそうだとしよう。
だからどうした。
今日はいいことを言った。
↓勝手に作った画像(琴欧州と安馬)
タイトル:「激しい突っ込み」

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