英タイトル: Pearl Harbor公開年: 2001年
製作: アメリカ
アメリカが作った自称戦争映画。
実在の事件をネタにしているが、フタを開けたらできの悪いドタバタラブロマンスだったというオチ付き映画である。
■ ストーリー
アメリカ軍のパイロット、レイフとダニーは幼い頃からの親友同士。やがてレイフは看護婦のイヴリンと出会い、恋に落ちる。レイフはヨーロッパ戦線に参加し、やがてイヴリンにはレイフの訃報が届く。悲しみに沈むダニーとイヴリンはお互いを慰めあううちにやがて深い関係になってしまうが、実はレイフは生きていた―。
(Wikipediaから加筆引用)
一応戦争映画を語るコラムなので、戦争映画っぽいテイストで男女のどうでもいい恋バナを語るこの映画を扱うおつもりはさらさらなかったのだが、「涙なくして観られない戦争映画ランキング」とやらの結果を見て、何か言いたくなったので起稿してみた。
→ランキングの結果
【抜粋】
1位 「火垂るの墓」
2位 「ひめゆりの塔」
3位 「ビルマの竪琴」
:
13位 「ジョニーは戦場へ行った」
14位 「パール・ハーバー」
15位 「ブラザーフッド」
ほんとかよ日本人。
びっくりしたよ俺は。俺的には「涙なくして観られないランキング結果」だったさ。
ついでに言うとおやおや「ローレライ」は戦争映画だったんですか。自分はてっきりファンタジーの類だと思ってましたよ。
■ 「パール・ハーバー」の知ってた?こんなこと
今回は特に語る背景なし。フィクションだから。
史実と異なる点の指摘については、Wikiに詳しいのでそちらを参照されたし。ここでは映画に関する公開当時2001年のニュースをいくつか紹介。
・えひめ丸とプレミア上映会
2001年2月10日、オアフ島沖で宇和島水産高校の練習船えひめ丸が浮上してきたアメリカ海軍の原子力潜水艦グリーンヴィルに衝突され沈没した。乗務員の35人のうち、教員5人、生徒4人が死亡した。
2001年5月23日、「パール・ハーバー」のプレミア上映会がオアフ島真珠湾沖にて、アメリカ海軍の航空母艦ジョン・C・ステニス艦上で退役軍人や政治家を招待し、盛大に行われた。
ハワイ人からすれば、60数年前にそこで何があったのか知らず、大挙して観光に訪れる日本人は無神経かもしれない。
しかし、えひめ丸の事件からプレミアまでたった3ヶ月。被害者や遺族の気持ちを風化させるには短すぎる。どんなに金をかけていようが中止すべきだったと思う。
なお、このプレミア、日本の報道機関は出禁だった。
蛇足ながら、日本で行われた試写会もかなり盛大で、主演ベン・アフレックを迎え、史上初めて東京ドームを使って行われた。
実は個人的感情とは裏腹にこの映画のプロモーションにほんの少し関わっていたので、試写状をもらった。自分は行かなかったが代わりに行った知人の話では、ベンはオープンカーでにぎにぎしく登場したそうだ。
・「パール・ハーバー」 for Japanese only
当時のニュースをママ引用↓
22日付の英大衆紙サンは、米ウォルト・ディズニー社製作の真珠湾攻撃を題材にした大作映画「パール・ハーバー」の日本公開版で、日本人の感情に配慮し終幕近くの台詞の一部が削除されると報じた。
「米国が真珠湾の米艦隊への日本の卑劣な奇襲からどう反撃し戦争に勝利したか」をヒロイン役の英女優ケイト・ベッキンセールさんが語る部分という。
同社関係者は「日本人を悪く描きすぎないよう非常に努力した」と述べると同時に「日本は映画『タイタニック』の収益の約20%を稼ぎ出した巨大な市場だ」と指摘したといい、興行への影響も考慮されたことを示唆した。ドイツ人はほとんど登場しないが、ドイツ公開版でもこの台詞は削除されるという。
そうきますか。どうせなら正々堂々と公開すればよいではないか。その方が数字も伸びたよ。
■ コメディとして見る「パール・ハーバー」
この記事を起こすために、7年ぶりに「パール・ハーバー」を再見した。
やっぱり今見返してみても歴史考証のなさには呆れるを通り越して笑えてきたし、ラブ・シーンは寒気がするので早送った。
製作者はこのしょうもないストーリーを語るために、どうっしても183分という長い尺が必要だったのだろうか?
と、いちいち反応していたらキリがないので、
「そうか、これはコメディなんだ」
と発想を変えてみた。
そう考えたら、笑えるシーンは結構多い。
例えばジョン・ボイト扮するルーズヴェルト大統領が車椅子から立ち上がるシーン。
未だに人気のある大統領なので、かっこつけさせたかったんだろうけど、自分にはどうしてもクララ in ハイジがかぶって見えた。
最後にこれは噂の域を出ないが、「パール・ハーバー」が日本全国で公開できたのは、D社との水面下の協議でT社が映画「H」の世界配給を条件に国内の右派勢力ににらみを利かせたためらしい。
■ ドかぶり映画「ブラックホーク・ダウン」
ソマリア内戦(1993年)を世界に知らしめた功績は大きいし、スペクタクル映画としても見応えはある。
しかし、製作ジェリー・ブラッカイマー、主演ジョシュ・ハートネットという時点で「パール・ハーバー」の既視感を禁じえない。(トム・サイズモア、ユエン・ブレムナーも両作に出演)
実際、米兵が派手にバッタバタと倒れるが、エンドロールによると米兵の戦死者は19名だったという。
ブラッカイマー節とでもいうかいたずらにパトリオッティズムを煽る手法は「パール・ハーバー」とちっとも変わっていない。
「アルマゲドン」のような完全フィクションならともかく、史実を元にこの見せ方はいかがなものか。
「俺は大衆が何を求めているかわかっている」とでもお思いかもしれないが、それならそれで歴史を伝える責任感と危機感を持って映画作りに励んでほしい。
次回の戦争映画シリーズは「トラ・トラ・トラ!」を紹介予定。
Vol.7 「二百三高地」
Vol.6 「ジョニーは戦場へ行った」
Vol.5 「ヒトラー 〜最後の12日間〜」
Vol.4 「戦場のピアニスト」
Vol.3 「戦争のはらわた」
Vol.2 「炎628」
Vol.1 「西武戦線異状なし」


気まぐれなんです。
追記:だから元に戻しました。