飲み始めると止まりません。
と、最近梅こぶ茶級にはまっている人物がいます。
それは冒険家、植村直己。
きっかけはネパールで氏ゆかりの地をなぞったトレッキングをしたこと。
帰国後、植村好きの友人に彼が一冬過ごしたクムジュンという村に行ったことを話すと、植村直己関連のDVDや本を一気貸ししてくれました。
なお、それまで植村直己については、
・日本人で初めてエベレスト登頂に成功した
・五大陸最高峰を征服した
・イヌイットの長の養子になった
・知る限り最もゲロゲロな食べ物、キビヤックが好物だった
・冬山で遭難し行方不明になった
・死後、国民栄誉賞を受賞した
など、断片的な知識のみ。
従って、漠然と「すごい人」というイメージしかなかったわけですが、知れば知るほど親近感が沸いてきて、今までの屈強なイメージとは違う人間味の溢れる姿が見えてきました。
特に自伝「青春を山に賭けて」は久しぶりに興奮を覚える一冊で、見方によれば無茶苦茶な人物像、破天荒な冒険譚は実に読み応えがありました。
もし10代の頃にこの本に出会っていたら、一味違う人生を選択していたかもしれません。
(現にアルピニストの野口健さんはこの本を読んだことが後のアルピニスト人生のきっかけとなったそうだ。)
また、これまでの「すごい人」イメージが変わった一端に、氏が大学を卒業してからも就職せずに海外に渡り、日銭を貯めては登山に明け暮れる生活をする中、世間や社会とどんどんずれていくことに対する焦りや戸惑いを強く感じていたことがわかったためです。
言い換えると、そこに「偉人」と言うには憚られる現実感というか人間臭さというかを感じたからで、規模の大小はあるものの我々にもその手の不安はいつもつきまとっているように思います。
もちろん、その不安を曲げて貫いたゆえの結果はすごいし、自分が同じ立場だったら不安で舌噛みそうになるかもなあとも思うわけですが。
そんなことも踏まえ、先日
板橋区にある植村直己冒険館に行ってきました。
そこには氏が北極圏12,000kmの冒険をした時に使用した犬ぞり(↓写真)や、着ていた衣服など興味深い品々が展示されていた。
最も印象的だったのは、マッキンリーで消息を絶った植村直己が遭難数日前に撮ったという最後のインタビュー映像。
この後行方不明になってしまったのか、と思うと「行っちゃだめ」と呼びかけたくなりました。

展示してあった犬ぞり。犬は剥製ではなく模型でした。
冒険館に行ってからは、長谷川恒男や森田勝など、他の登山家や冒険家の著書にも手を伸ばしています。
こうして温かい梅こぶ茶を飲みつつ、零下40度の冬山登攀記を読むという新たな幸せを手に入れた昨今です。

